ペットブームの裏で、日本ではまだまだ不幸な猫達が沢山います。減少はしているものの、令和元年度の殺処分数は3万2743匹(犬:5635匹、猫:2万7178匹)。猫ブームと言われSNSでは可愛い猫達の姿が持てはやされる一方、家族のいない不幸な動物達の姿もそれ以上に沢山見受けられます。
飼い猫でも野良猫でも地域猫でも、みんな生きる権利を持つ大切な命。「1匹でも多くの命を救いたい」「1匹でも多くの猫に幸せに暮らして欲しい」「1匹でも多くの猫に家族を見つけてあげたい」・・・それを目的に2014年に横浜市で里親募集型猫カフェ「カフェ ブラン」を開業し、6周年を迎えようとする直前、コロナ禍により閉店を余儀なくされました。
今後も続くと思われるコロナ禍の中、13匹の猫達をどうしたら安全に保護していけるのか? 資金難の中、様々な方法を模索した中で「移住」という選択に行き着きました。維持費の中で一番の問題だった家賃を払わずに済むよう、安い戸建てを購入し、そこで猫カフェを存続しながら猫達の里親探しも続ける。地方に行くことになるけれど、どうせならお客様から要望があった「泊まれる猫カフェ」にして、泊りがけで遊びに来てもらおう、と思いながら物件を探し、長野県にある筑北村に行き着きました。
「動物愛護」と言っても、考え方や方法は人それぞれです。「殺処分ゼロ」を目標に掲げ、動物の保護に尽力している方は沢山います。もちろん、殺されてしまう命が無くなる事は素晴らしい事ですが、私個人は「1匹でも多くの猫に幸せに暮らしてもらう事」、「猫達のQOL(Quality of Life)を高める事」に重きを置いています。エサと水さえあれば猫は生きていられます。でも、命が助かったからと言ってそんな状態で幸せと言えるでしょうか? 生きているからには十分な食べ物と水、安心して暮らせる清潔な環境、自由に動けるスペース、寒さに震えず眠れる場所、そして飼い猫にとって必要なのは人間の愛情、そして最後まで一緒に過ごせる家族が不可欠です。命を預かる以上、刹那に生きる猫達の一日一日が幸せであるように、そしてその子が一生安心して暮らせるご家族の元へ送り出してあげるのが役目だと思っています。
また、クラシコの猫達は全て動物愛護のボランティア団体「ちばわん」の保護猫達で、私は預かりボランティアとして猫達をお預かりしています。クラシコはお客様に猫達と遊んでいただく場であると同時に猫達が家族と出会う場でもあり、飼い猫として人間との生活に慣れるリハビリの場でもあります。大事な預かり猫達が安心して人間に甘える甘えん坊になるように、ご協力いただければ幸いです。
猫を家族として迎えたい方はもちろん、猫が飼えないけど一緒に遊びたい方、猫達の愛らしい姿を見ていたいだけの方も大歓迎です。 クラシコは猫と遊べる猫部屋、食事が出来るカフェ、お泊りいただける民泊として3つの顔を備えています。山間の静かな村で、時が止まったような別世界です。家の前には広い畑があり、自然農法で野菜や果物を作り、お客様に提供致します。農作業を体験してみたい方、蛍や星を見たみたい方、温泉巡りをしたい方など、様々な田舎体験を楽しんでいただけます。猫を安全に保護するだけでなく、人間も癒される場所になるよう願っています。
クラシコは漢字で書くと「暮らし古」、アルファベットでは「Classico」で伝統的なという意味になります。少し時間を遡り、昔ながらの人と自然が共生できる暮らし方に立ち返る、そんなクラシコに是非、遊びにいらして下さい。